手紙

2007年6月21日 読書
なぜ犯罪を犯してはいけないのか。

なぜ人を殺してはいけないのか。

人を殺してしまえば何が変わるのか。

人を殺すことより、自分を取り巻く環境はどうなってくるのか。

弟の願いを叶えるため盗みを決意した兄。
盗みを決意させてしまったことを後悔する弟。
子どもを自分と同じ境遇に合わせたくないために必死になって働く母。
母の想いを曲がって引き継ぐ息子。
犯罪者の兄弟となってしまった者の葛藤。
犯罪者の兄弟をどう接すればいいのかわからない友人。
犯罪者の存在を疎む兄弟。
犯罪者の兄弟だということで生じる理不尽。

理不尽。理不尽。理不尽。

この理不尽を知らず、まっすぐに更正されている兄。

まっすぐな兄を無視する弟。
存在を無かったものにする弟。

母を殺害された遺族と家族の思いに考えがいたる殺人犯。

「私は手紙など書くべきではなかった」

一月に一度の手紙でやりとられた心の交流。
一方通行であった手紙だけれども、様々な人間の思いが交錯されている。
最後の件は涙無しでは読み進められなかった。

なんで人の命を絶ってはいけないのか。
それの答えがこの一冊に凝縮されている。

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